コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.8 「ユマニチュード」を学ぼう

去る3月20日夕方に京大医学部最先端科学研究棟で開催された「ユマニチュード」による認知症ケアのセミナーに参加した。今中雄一教授のPEGASAS主催であった。「ユマニチュード」という耳慣れない言葉であったが、終わった頃には「う〜ん、なるほど、ごもっとも、さすが」の連発であった。どんなに認知の進んだ方でも先ずアイコンタクトを持ち、更に触れて語りかける。これを繰り返すことによって殆どの人がかなり活動性を取り戻す。
生物学的誕生は“ファーストバース”、そして周囲から愛情を注がれながら育つのが“第二の誕生”(セカンドバース)。心身の傷病や認知機能の低下で失いかけた尊厳を取り戻すことで“第三の誕生”を迎えるためには『見る、話す、触れる』という人ならではの包括的コミュニケーションと自己の尊厳を実感できる『立つ』ことの援助が必要。これらを実践するのが「ユマニチュード」という手法である。これは、イヴ・ジネスト氏というフランス人の元体育教師が病院教育担当者として腰痛対策に取り組んだことに始まる。動けない方に動いてもらえば介護者が腰痛にならないのでは?と考えたのがきっかけのケア方法である。
当日は事務局の鈴木さんと花田さんも同行したが、ゆっくりとした仏人英語と身振り手振りのジェスチャーで、通訳がいなくともよく理解できた講演であった。特にLMC会員には介護施設の方も多く、この手法を学ぶことにより職員の遣り甲斐向上は勿論、何と言っても入所者の再生、家族の負担軽減に結び付く魔法の杖と確信した。
文章では判りにくいので、クローズアップ現代や週刊医学会新聞等でアクセスしていただきたい。また、一度お招きして実践するのも“百聞は一見に如かず”となるのであろう。

 

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