謹賀新年
2024、甲辰(こうしん、きのえたつ)の年、明けましておめでとうございます。
元日、1月1日、震度7の能登半島地震、2日の夕は羽田空港JAL到着便と被災地支援の海保機の衝突炎上で不幸な年明けとなりました。亡くなられた方々、ご遺族、関係者の方々に深い哀悼の意を表します。
実は小生、これらを京大病院積貞棟4階病室のTVなどで観たり、身を持って経験しておりました。積貞棟は山内任天堂様のご寄付により創設された病棟で、4階は呼吸器外科です。免震構造で震度4の京都南部は大船に乗った感じでゆっくり、大きく、どんぶりこどんぶりこの感じで、大変気持ち良く、気持ち悪い揺れでした。志賀町が震源と聞き、原発の事が頭を横切りました。福島の二の舞か?と。不幸中の幸い、油が海へ漏れたのみと(ホッと)。皆様ご存知かと思いますが、積貞棟は後輩の田中一成会員、現静岡県立病院機構理事長の奥様のお父上のご厚意で創立されました。京都のドネーション文化の象徴的建造物です。竣工式のテープカットに田中先生が呼ばれて、何故彼が、私でないのかと浅はかにも―。
閑話休題。小生は年末年始に家族以外殆ど誰方にも隠して、縦隔腫瘍(胸腺腫)切除術を受けました。2月の健診的CT検査で判明。7年前には写らず、CTが新しくなったので写ったのでは?とも。それもなく、半年後の再検査でやや増大。無症状、アセチルコリン抗体陰性で重症筋無力症の怖れも皆無に近かったのですが、怪しむは切除という外科医の「倒れる時は一歩前に」との龍馬精神で踏み切りました。神の手の伊達教授の任期も考慮して。しかしやはり老齢に全麻下胸部手術はこたえました。経鼻挿管をお願いしていたのですが手術台の上で両側開胸でダブルルーメン気管内挿管、分離肺換気。入れ歯を外せないなら手術を止めましょうと了承しかなし。術後、暫くは咳、深呼吸、体動時などでの痛みに跳び上がる程。冷や汗も。ドレーン(管)抜けて軽減し、リハビリぼちぼちと。
今回の入院で多くの事を学習(?)した。1つは低侵襲は傷が小さく、触る部分が狭く愛護的だが切除などは全く不変。騙されてはいけないと!!又、医療の進歩は医歯薬学のみならず看護や周辺分野の進歩の貢献も大なりと。一番感じたのは尿道カテーテル。入っているのも知らず尿意でナースコール。ナースがベッドサイドでごそごそ、尿意喪失。「チューブが折れ曲がってたですね」と。入ってたんだぁ。ギャッジベッドはハンドル操作でなく電動式。暑がり、寒がり、痛がりの小生にとって、空調、ペインレスニードル(無痛針)など本当に助かった。布団も軽い、テルモ・ニプロ・ワタキューセイモアなどのお蔭様である。入院基本料は余りにも安すぎると正直身を持って証明できた。
今年一年が会員皆様やこの星にとって良い一年になりますように!!
2024.1.9(火)
会長 邉見公雄拝
(もうすぐ傘寿)