コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.48 第3回LMC地域交流会in三浦

去る2月25日、コロナ禍で2年間延期していた「LMC地域交流会」が三浦市立病院総病院長小澤幸弘先生のお世話で三浦市民会館「うらり」で開催された。テーマは「三浦ならではの地域医療〜医療・教育・農業そして海業〜」。3年待っただけに素晴らしく充実した会となった。まず、吉田英男市長からは歓迎の挨拶と市立病院は経営も良く市民や周辺の方々も安心して住めていると。続いて小澤先生より今回の趣旨が、そして私から日本の現状や世界での地位低下、志摩市と士別市で開催された過去2回の交流会の様子などを多くのスライドを使って話させていただいた。今回は以前と異なり地元市民には案内せず神奈川県の会員と過去の参加者のみに限ったが、席は密にならぬ程度に埋まった。北は北海道から西は広島まで多くの方に集まっていただいた。
シンポジウムのトップバッターは小澤先生。病院の建て替えやヘリポート設置、地域包括ケア病棟など時代に合った運営のお話。コロナ対応もしっかりと。続いて子育て応援団NPO「トリプルP」の松岡かおりさん。温かい地域住民一丸となっての子育て・親育ての実践を。幼老共生も。3番手は京急広報部の島由紀子さん。大師線という品川から川崎大師間を走る我が国初の私鉄の歴史。初の私鉄は小林一三氏の阪急とずっと思っていたが、チコちゃんに叱られるでも放映されたとか。リゾート開発で昔は潮干狩りや海水浴だけだったのをサーフィンやヨットの世界大会で国際ブランドに。そういえば1月に開催された湘南マラソンはホノルルマラソンの姉妹マラソンとして有名。油壷水族館の再興や首都圏とのワーケーションにも注力中と。海を活かす“海業”の意味が理解できた。4番バッターは神奈川県立水産技術センター所長の滝口直之氏。鮪は有名だが磯焼けを防ぐために廃棄物のキャベツをウニに食べさせて藻場を再生。また、聖マリアンヌ大学の遊動教授と連携して鮪の血合いが未病に良いとの研究結果も。休憩中に試食もさせていただいた。最後は三浦市立病院リハビリテーション科の藤井伸行氏。在宅医療やロコモ、フレイル対策など老齢化率41%の街ならではの取り組みを発表。住み慣れた土地でずっとという地域包括医療・ケアの時代のモデルでもあろう。その後の討論には飯島康司三浦市医師会長と及川圭介三浦市教育長も加わり、三浦愛のオンパレード。飯島会長からは、3年間のコロナ禍で医療資源の少ない地域でも発熱難民やワクチン難民を出さなかったと。及川教育長からも休校や学級閉鎖、学校給食をどうしたかなどの苦労話を。皆様に共通していたのは日頃から顔の見える関係が大切と?最後に、次回開催予定の望月泉八幡平市病院事業管理者から予告プレゼンがあり幕を閉じた。
意見交換会は歩いてすぐにある割烹旅館、明治41年創業の「三崎館」で。港のすぐ前なので漁師料理。メバチマグロの兜煮の発祥の地とのこと。シンポジストも全員参加いただき、最後まで華を添えていただいた。感謝感謝である。来年の交流会開催予定の京丹後市立久美浜病院赤木重典院長の力強い万歳三唱で今回の地域交流会も成功裡のうちに終了。次回は10月14日、安比高原で会いましょう?

追伸:当日、会員の川崎市病院事業管理者金井歳雄先生が川崎市立井田病院の伊藤大輔院長を誘って参加。この会をご紹介いただき新たに入会していただけたことは今回の余得となった。

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